株式会社日本ビジネスプレス

「JBpress」初の大規模オンライン展示会。
シャノンを活用した来場率80%超えの秘訣とは

ビジネス系オンラインメディア「JBpress」を運営するだけではなく、その豊富なメディア運営のノウハウと高い技術力で、多数のオンラインメディアの運営をサポートしている日本ビジネスプレスグループ。

同グループの株式会社日本ビジネスプレスは、2020年11月から12月にかけて4週間、大規模なオンライン展示会と5つのオンラインセミナーで構成するイベント「JBpress DX World 2020」を開催。

オンラインセミナー開催の経験はあったものの、本イベントではオンライン展示会も実施し、大規模な集客と高い歩留まりを達成した。その成功の背景と取り組みについて、企画推進部の瀬木さんと、石倉さんに話をうかがった。

Point

  • コロナ禍によるマーケティング機会損失の解決のために本イベントを企画
  • セミナーと展示会をあわせたオンラインイベントの管理システムとして導入
  • イベント管理だけではなく集客メールの配信ができるシャノンで、高い参加歩留まりを実現
  • 動画配信システムと連携し、セッション視聴などオンラインイベントの多様なタッチポイントをシャノンに集約

展示会中止に伴うマーケターからの悲痛な声に応える

企画推進部 部長 瀬木友和氏

2020年には新型コロナウイルスの影響で、多くの展示会イベントが中止に追い込まれた。
中には実行される展示会もあったものの、社員の健康や社会的責任を考えると、出展は見合わせるというのが多くの企業の判断だった。

展示会の出展中止は、企業の商談やリード獲得の機会としていたマーケティング担当者にとって大きな痛手となった。

「前職の時代から、米国でバーチャルイベントは普及していることは知っていましたが、日本では時期尚早と感じていました。 コロナ禍で展示会が中止になり、獲得できる見込み客が激減してしまったという多くの企業の方の“悲痛な声”を伺うなかで、今こそバーチャルイベント展示会をおこなうべきと感じたのです」
と、株式会社日本ビジネスプレスで広告セールスを統括する瀬木さんは語る。

同社にとって大規模な展示会形式でのイベントははじめてであったが、企画・運営面はすべて自社でおこなうという判断をした。

「まずは、自分たちですべてやってみようという思いがありました。将来的にイベント運営会社に依頼するにしても、どこでどのくらいの工数がかかるを知っておきたかったんです。」と瀬木さん。

イベントの収益モデルはスポンサーからの出展費用に基づくものになる。 企業から出展費を募る以上失敗は許されない。 複数のイベントのプラットフォームを比較検討し、シャノンを採用した。

シャノンの採用の導入の理由は、「イベント管理だけではなく、集客メールの配信が出来ること」「動画配信システムとの連携のよさ」「参加者リストの管理の精度の高さ」などだ。

歩留まりの高さを実現した集客メール

結果として、協賛社数は36社で登録者は4500名弱、来場者も3634名で歩留まりは81%と成功をおさめた。 各社のオンラインセミナーが飽和状況になり参加の歩留まりも減少傾向になる中で、この数字はかなり高い数字だといえる。

メディアとしての強みを活かし、日本の経営学の大家、事業会社の経営者、AI、IoTなどのテクノロジーのリーダーなど充実した講師を揃えたことが集客につながった。

また、長期間での開催にして、ライブでのセミナーとオンデマンドのセミナーを組み合わせ、数多くの展示ゾーン、セミナートラックを用意したことも大きな要因だ。

歩留まりの高さは、集客メールの配信が功を奏したからだという。

決め手となったのは、シャノンのSMP(SHANON MARKETING PLATFORM)がイベント管理のプラットフォームであると同時に、マーケティングオートメーション(MA)であるという点だ。
登録者のリストを管理し、それぞれの属性に見合ったメールを配信出来るということが大きかった。

「他社の製品は、イベントプラットフォームに特化しているため、直接メールを配信できる機能を備えていないことも多いです。 メール配信と連携し読者を登録に導くにはシャノンが最適でしたね」と瀬木さん。

また、開催期間が長くなるので、参加者は登録したセミナーを忘れがちになる。
チェックをしたセミナーの開催日や開催期間の直前などにリマインドメールを送信したことが、参加漏れを防いだ。

しかしメールの配信については課題も残った。頻繁なメール告知の送信停止を望む声もあった。

そのため「今後は全件一斉にメールだけではなく、参加者の登録テーマやセッションに応じてコントロールするなど改善していきます」と瀬木さんは言う。

タッチポイントの多いオンラインイベントでのリスト提供

企画推進部 石倉有里子氏

今回のイベントのシステムの構築を担当したのは同じく企画推進部の石倉さん。苦労した点は、データ管理のフローの設計や、登録から視聴までの動線の設計だという。

「今回のイベントの場合、参加者と出展スポンサーのタッチポイントは、主催社セミナーへの参加、スポンサーセッションへの参加、出展ブースへの来場、資料のダウンロードなど多様で複雑。 それぞれのタッチポイントに応じたフラグを立て、スポンサーに安全かつ迅速に提供する必要がありました。 イベントに出展いただいているスポンサーのみなさんにとって、提供する参加者リストはメニューの柱。 スポンサーに提供する参加者リストをきちんと定義し、品質を保証することが重要だと考えていました。 この点で、シャノンにすべての情報を集約できたのがよかったですね」と石倉さんは言う。

リストの項目は、名刺情報の他、アクセス履歴(訪問したブース、閲覧したコンテンツ)、セミナー視聴の有無など。

こうした履歴を、スポンサーごとのリストの定義にしたがって正確に管理し、スポンサーがログインする専用ページから前日までの登録者のリストが取得できるようにした。

スポンサー自身がダウンロードURLにアクセスし、リストを取得する仕組みなので、主催社が参加者の個人情報に触れるリスクはない。

プライバシーマーク取得企業として、個人情報の管理には厳重に対応する必要があったため、こうしたセキュリティの面での安心も大きかったという。

動画配信システムとの連携で視聴管理を実現

シャノンを選んだもう一つの大きな理由は動画配信のシステムとの連携だ。

動画配信システムは配信方式、価格帯や対応規模、質問機能などによって数多くの種類がある。
今回、同社が選んだのは、リアルタイムの動画配信ではブイキューブ社、オンデマンド配信ではブライトコーブ社の製品だった。

両製品とも、シャノンと連携することが可能で、動画サイトのタグをシャノンに埋め込むことで、エントランスから各ゾーンへの参加、セミナー視聴までをシームレスにつなぐことができた。

今回重視したのは、参加者の視聴データの取得だった。セミナーの視聴のログを参加者のIDに紐付けリストに反映させたい。 これについては、シャノンの営業担当が間に入りブイキューブ社と調整することが出来た。

「このシャノンとブイキューブの連携は、今回の大きな成功要因だと思います」と瀬木さんは言う。

またシャノンと動画サイトフローのシステム構築面で、石倉さんとシャノンのディレクターとの密なコミュニケーションも成功要因だという。

「エントランス、各ゾーン、出展社ブースという3つの部分から、セミナープログラムに誘導する動線をわかりやすくするためのUI/UXと登録のフローの部分については、かなり綿密に行いました。 シャノンはその点で、かなり自由度が高く管理画面もこちらの融通を聞かせてくれたことがありがたかったです」と石倉さんは話す。

石倉さんとシャノンのスタッフによるシステムのチューニングも功を奏し結果、「スポンサーからも高評価で、リード単価の面でも高いコストパフォーマンスが得られました」と瀬木さん。

今後の目標は、バーチャルイベントとしてのさらなる体験価値の向上にあるという。

「スポンサー・出展社への提供価値をあげるとともに次回以降は、参加者への体験価値を上げたい」と瀬木さん、石倉さんの両氏は語った。