サイボウズ株式会社

開催まで3週間。
参加者とスポンサーの満足度にこだわって
再構築したオンラインイベントとは

サイボウズ主催の「Cybozu Days2020」は、2020年11月に幕張メッセでオフライン開催、12月には大阪でオンライン開催された。

オンライン/オフラインによる参加者登録のフローの仕組みをシャノンで構築。スポンサーへのリード提供や、参加者の資料ダウンロードの仕組みの運用も柔軟に行えたという。

このサイボウズのイベントの「仕掛人」ともいえるビジネスマーケティング本部の鈴木亜希子氏にお話をうかがった。

Point

  • コロナ禍で年次イベントの大阪分を開催3週間前にオンラインに変更。急遽、登録フローのシステム改変を実施
  • 参加者、スポンサー双方の満足度を重視した仕組みをシャノンで柔軟に構築
  • 将来的にはシャノンとkintoneの連携も視野に

サイボウズ流イベントの「らしさ」の作り方

ビジネスマーケティング本部 鈴木亜希子氏

カラフルな動物キャラクターでまるでゲームやテーマパークのようなデザインが印象的な「Cybozu Days2020」のWebサイト

このイベントの仕掛け人ともいえるのがビジネスマーケティング本部の鈴木亜希子氏。
「変わったことや興味のあることは、なんでもやってみていますね」と話すとおり、2006年に入社して以来、イベント、製品のプロモーション、オフィスの内装まで幅広い業務に関わってきた。

2020年11月に東京、12月には大阪で開催された「Cybozu Days2020」のテーマは「エゴ&ピース」。
このテーマは、鈴木さんと代理店をまじえたコンペで採用されたものだった。 「エゴ(わがまま)は時にはチームを強くする。社会全体が少し不寛容になってきている現代に、もう少しわがままを言うことで、働き方や組織を良くしていこうというメッセージを込めました」。

サイボウズの年次イベントは、2012年から始まった。 当初はオードドックスなエンタープライズのITのイベント色が強かったが、鈴木さんの担当後にリニューアル。

その一環として、2016年からは東京会場をホテルから幕張メッセに移した。企業のプライベートカンファレンスの場合、都心のホテルやイベント会場での開催が一般的。 鈴木さんの移転の提案に対して、青野社長は「幕張、いいね!」と即答。「そのほうが滞在時間も長くなりお客様との交流も増えるから、ぜひチャレンジして」と背中を押した。

パートナー、スポンサーの展示エリアも強化した。 既存顧客の来場が増えてきたこともあり「サイボウズの製品だけではなく、他社の連携製品も知ってより活用いだけるヒントにしてほしい」という思いから会場の中心に展示エリアを配置し、セッションエリアとワンフロアで完結させた。

お祭り感のあるイベントを目指して、Webデザイン、ビジュアルの「トンマナ(トーン&マナー)」も一新。 「壁を超える」(2017)、「楽しいは正義」(2018)、「モンスターへの挑戦状」(2019)など、親しみやすくメッセージ性のあるテーマを掲げるようになった。 こうしてリニューアルされたサイボウズのイベントは鈴木さんだけではなく、制作会社や社外のパートナーとのコラボレーションで創り上げてきた。

東京分をオフラインで実施した裏側で、大阪分のオンライン開催を決断

こうして進化してきたCybozu Daysだが、2020年はコロナ禍に見舞われ、大きな壁に直面した。

最初の緊急事態宣言が明けた5月に、リアルなイベントとしての実施を決定。状況が悪化し感染者が増えた場合、オンラインに変更することも覚悟していたが、毎日ニュースを見ながら実施方法について考える精神的な負担は大きかったという。

感染状況がやや落ち着いた11月の東京は、感染対策を徹底した上で予定通りオフラインで実施。

「感染者数が増えたタイミングを振り返ると、もし翌週の開催だったら実施できていなかったかもしれません。ぎりぎりの綱渡りでした」と鈴木さんは話す。

12月には大阪でオンライン/オフライン同時開催の予定だったが、開催3週間前にオンラインのみの実施に変更。東京の会期中での決定だった。 こうした厳しい状況の中で、集客や参加者登録の方法の見直しや改変が急務だった。

「大阪分をオンラインで無事に開催できたのは、シャノンの製品だけではなく、担当のディレクターさんのサポートが大きかったですね」と鈴木さんは言う。

Cybozu Daysでは、2016年の第1回目から、申込者管理にシャノンの「SHANON MARKETIG PLATFORM」(以下、SMP)を採用している。 この状況の中で、サイボウズの事務局、社外パートナー、代理店とシャノンが一丸となって取り組み、結果的に3800名以上が参加し成功をおさめることができた。

実施方法の変更に応じてカスタマイズできる柔軟性もシャノンのメリット

オンラインへの変更で、チャレンジだったのは、参加者登録管理の変更だ。

集客開始当初は、
1)東京でのリアル参加
2)大阪でのオフライン参加
3)大阪のオンライン参加
の3つの登録フローだった。

このうちすでに登録が進んでいた、2)のオフラインでの登録サイトをクローズ。大阪での会場参加で申し込みのあった参加者リストを、あらためてオンラインに移行させるという手続きが必要となった。 この移行作業はCSVファイルによって手動で行われた。

もうひとつの課題はスポンサー対応。 当初、オフライン/オンラインの同時開催の予定だった大阪での開催が全セッションオンライン開催となった時、鈴木さんの頭をよぎったのは 「リアルな展示ブースを期待していたスポンサーに納得してもらえるか」という不安だった。

これまでのオフラインのイベントでは、参加者は数時間会場に滞在することが一般的だった。 そのため、申し込んだセッションの合間にあらかじめ予定していたブースを訪問するほかにも、たまたま目に入ったブースに興味を持ち情報収集することも多い。

しかし、オンラインイベントではセッションの視聴が終わると、そのままイベントページから離脱しやすい。 スポンサーにとって自社の製品を知ってもらうチャンスが少なくなってしまうだけではなく、参加者リストを提供するイベント主催社にとっても悩ましい問題である。

そこで強化したのは「資料ダウンロード」。登録者がログイン後に見るマイページは徹底的にこだわった。

登録セッションの視聴URLのほかに、スポンサー資料一覧ページのURLも掲載。 マイページからアクセスした参加者のフラグが取得できるとともに、ブースアクセスフラグ、資料ダウンロードフラグも取得できるようにした。 こうした工夫により、参加者にとっても必要な情報を手に入れやすい設計となった。

さらに、鈴木さんは時には自らSMPに登録するイベントページのHTMLファイルの修正まで行った。 「シャノンの場合、柔軟性があるので一歩踏み込んでカスタマイズできることもよかったです」。

今回チャレンジした「資料ダウンロード」の強化は、今後イベントをオフラインで開催できるようになってからも取り入れたいと鈴木さんは話す。

「展示ブースがにぎわい担当者の空きがない状況では、なかなか話を聞きづらいと思うお客様も多いです。 そうしたシーンでも、興味を持ったタイミングで企業や製品の情報を入手する手段として活用できるのではないかと考えています」。

シャノンを継続する理由は、製品のセキュリティと担当者のディレクション

シャノンを導入している理由として、データ管理の信頼性とセキュリティ基準への対応力があるという。

「サイボウズのセキュリティや個人情報管理の基準はかなり厳しいのですが、その基準をきちんとクリアできることが大きな理由ですね」と鈴木さんは言う。

そして継続している最大の理由は、シャノン担当者のディレクション。

「イベントは会期が決まってるので、期日をずらせないタスクがたくさん出てきます。主催社として対応するべきことも多く、細かい部分まで見渡すことが難しい状況でも、 シャノンの担当の方にはいつも適切にサポートしていただいています」という。

「今回、はじめてオンラインで開催したので不安もあったのですが、当日ページにアクセスできない、セッションの配信が止まってしまうといったアクシデントがなく終えることができたので安心しました。 また、今回からスポンサーへのリスト提供方法が変わりました。 これまで開催から1週間程度でお渡ししていたところを、スポンサーのみなさんに当日ダウンロードいただく形でスムーズに提供できたので評判がよかったですね。」(鈴木さん)

リアルとオンラインが共存する時代に「体験」をどう伝えるか

未曾有の事態となった2020年の開催を乗り切った「Cybozu Days」。

今後の要望は「SMPとkintoneの連携」だという。これについては、意外にもサイボウズ自身は行ってこなかった。 サイボウズのkintoneのデータ運用ルールが非常に厳格なことが理由だ。鈴木さんは「社内のkintoneとは別の仕組みを作って、APIなどで連携することも考えたいと思う」と言う。

そして、サイボウズのイベントの今後についてはこう語った。

「これまで大切にしてきた体験や没入感をオンラインで演出することの難しさを感じたので、オンラインとオフラインが共存する時代にどのように発展させられるかを考えています。 早くコロナが終息して、リアルなお客様との交流を再開できることを願います」(鈴木さん)