1908年にミシンの修理業から始まったブラザーグループ。 一世紀以上にわたる老舗企業としてプリンターや複合機などのリンティング・アンド・ソリューションズ事業を中心に、世界40以上の国と地域に拠点を置き、グローバルに事業活動を展開している。
そのブラザーグループの国内マーケティングを担う企業として、多様な製品やソリューションを提供しているのがブラザー販売だ。
ブラザーといえば、オフィス用のプリンターや複合機などが有名だが、それだけではない。
東京・京橋のショールームには、ラベルプリンター、モバイルプリンター、業務用刺しゅうミシンなど、多種多様なマシンが並ぶ。
こうした製品群の価値を市場のニーズに結びつけ、ひしめく競合から差別化し、新たな顧客を獲得するための戦略が求められていた。
ブラザー販売の売上の多くは法人の顧客を占める。
販売は、代理店経由が中心で、直販のように顧客のニーズを察知することが難しい。
ブラザーグループが掲げる“At your side.”という考えに基づいた、より顧客に寄り添った積極的なマーケティングが求められていた。
この課題への取り組みに向けて、2019年にBtoBマーケティングG 立ち上がった。
オウンドメディアやメール配信、データ分析、イベントの企画運営からリードの管理、さらにはインサイドセールスのチームもこの部門の中に置かれ、少数精鋭のチームとして活動が開始された。
「人数は限られていますが、自分たちの専門の業務を持ちつつ協力しながら進めています」と語るのは、同グループメンバーの田川碧氏。
法人向け製品やソリューションを紹介する、同社のオウンドメディア「ビジネスNAVI」の運営も行っている。田川氏はマーケティングの立場からメディアのコンテンツ制作にも尽力している。
同グループのメンバー伊藤潤氏は、法人営業出身。 案件創出を目的とするBtoBマーケティングのチームの中で、伊藤氏の営業経験に基づく課題意識は貴重だった。
「元々マーケティングの部隊はあり重要な役割は果たしていたのですが、製品ごとの展開でした。 複数ある商材を横断した顧客志向のマーケティングへの転換が必要と感じていました」と伊藤氏は言う。